最後までケンカ

お兄ちゃんは、静かに涙を流しつづけた。

お兄ちゃんと、お父さんはどちらも料理人。そもそも、一緒にお店をやるってのが間違い。性格が合わなすぎる。。。しかも親子で仕事ってきっと難しい。

⚫お父さんは、中学生の頃から和食の修行。厳しい修行に耐え、1から店を作り商売命。「俺の背中を見ろ」みて欲しいタイプ。ひょうきんで人気者。

⚫お兄ちゃんは、なーんとなく料理の道に進んだ?なぜかイタリアンの道。厳しい修行に耐えかねて実家に帰ってきた。未だに一人じゃ何もできない過保護タイプ。
(もうここは隠さず、素直に書きまくります)

10年以上怒鳴りあい。普段は温厚な兄も、お父さんにだけびっくりするくらいキツイ言葉使い。「お前あっちっとけ!」「出ていくけーのー」
(しかし何年たっても出ていかない)

数年前にお父さんは、兄に店を譲り裏方へと世代交代。したにも関わらず、店のそうじ・仕込み・会計を裏で全てやってた。オープン前に店にきて厨房に立つ兄。これじゃあ意味ない。。。結局手を出してしまう父と母。

倒れる前の日、お父さんが今後のお店について、話し合いをしたいと持ち出した(本気でお店をやってほしいと話したかったらしい)案の定、話し合いにもならず大喧嘩。聞く耳もたずの兄。

病室でお父さん見ながら「最後もケンカじゃあ」とお兄ちゃんは涙が止まらなかった。お母さんはそんな姿を初めて目にし、驚いてつられて泣いたらしい。

私が実家に帰らなかった理由は、私が何を言っても何年も何年も父、母、兄がずぅーーーっとこの状況を変えないから。ずぅーーーっとそれぞれの愚痴ばかり言って何も解決しないから。私は愚痴をきく聞き役。はがゆくて、悲しくて、正直うんざりだった。

お父さんがいなくならないと、変わらないんだなって思ってた。こっから、こっから、お兄ちゃん、変わってくれ!!!お兄ちゃんが幸せならなんでもいい。お兄ちゃんのパスタはめちゃめちゃ美味しいけど、料理人じゃなくてもいい。人生楽しんでくれぇーーー。(ていう私は無責任なのかな。はぁーーー)ただただ、家族のしがらみから抜け出してほしい。

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